肥満症の行動療法
肥満症の行動療法における問題解決の基本プロセスは
①問題行動を具体的に特定する。
②その問題行動が生じる刺激条件を明らかにする(行動分析)。
③その仮説に基づき効果が期待できる方法を用る(技法の適用)。
④その結果を検証しながら維持を図っていく。
となる。
肥満症の行動療法では、健診や質問表や面接による行動分析と評価に基づき、具体的目標行動を設定され、目標が実行しやすい様、さまざまな行動技法が用いられる。
用いられる行動技法は
①具体的な減量と行動目標を立てる「目標設定」。
②体重,食事,運動や行動を記録させる「セルフモニタリング」。
③食べたくなる刺激の制限や運動促進の環境刺激をふやす「刺激統制法」。
④望ましい行動を増やす「オペラント強化法」。
⑤ゆっくりと食べるために咀嚼回数を数えるなどの「食行動の修正」。
⑥衝動的な摂食欲求への「反応妨害法や習慣拮抗法」。
⑦不適応的思考や認知を修正する「認知再構成法」。
⑧対人交流の改善のための「社会技術訓練(自己主張訓練)」。
⑨減量の維持を目的とした「再発防止訓練」。
⑩家族や友人の協力を活用する「社会サポート」。
などがある。
尚、NIH(National Institutes of Health) のガイドラインでは、ストレス管理をこれらに加えて上位に位置づけた。
長期の習慣変容にはストレス対処が不可欠だからである。
行動技法においては通常、複数の技法を組み合わせて用いられる。