TNF-α
TNF-α(腫瘍壊死因子α)は最初はさまざまな固形癌に出血性壊死をもたらす分子として報告された(カケクチン【cachectin】)。
活性化マクロファージなどから分泌され、ヒトの場合157アミノ酸からなる分子量約17,000のタンパク質である。
一方、TNF-βはリンパ球から放出される171アミノ酸からなる分子量2,500の糖タンパク質である。
両者はアミノ酸レベルで約30%の相同性があり、生物学的機能は類似している。
いずれも三量体として働き、受容体は共通である。
さらに遺伝子座もヒトの場合、ともに第6染色体のHMCクラスター内に存在する。
培養細胞にアポトーシスを誘導する活性があるが、生体内での抗腫瘍効果についてはまだ不明な点が多い。